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和宮様御留(有吉佐和子)

有吉佐和子第二弾です。
最近ドラマで「大奥」があったり、大河ドラマ「篤姫」もあったりで、
この辺の事情を少し読んでみようと思って。

Photo_2

ご存知の方がほとんどだと思いますが、
幕末に公武合体の気運が高まり、
さらに黒船など外国を脅威に感じ始めた幕府は
徳川将軍の正室に皇室の女性を迎えようと計画します。
それが和宮親子内親王。

彼女は当時の今上=仁孝天皇の娘として生まれます。
しかし、生まれる頃には仁孝天皇は死去。
なので、生まれた瞬間から彼女は皇妹なわけです。

母である勧行院の元で育った彼女、有栖川宮との婚約まで調っていたのに、
公武合体を推進する岩倉具視らの策略により、有栖川宮と婚約破棄し、
徳川将軍=徳川家茂と結婚することになります。
嫁入りした当初は
「御所風を変えません!」
という和宮側と、
「嫁にきたのだから大奥の慣わしに従うべし!」
という大奥(天璋院)側とでもめにもめますが、
次第に(家茂がうまくクッションになったこともあって)和解していったそう。

そのうち、家茂は度重なる上洛で体調を崩し、大阪で死去。
和宮は20歳にして未亡人となり、静観院宮と名乗ります。
一度は京都に戻ったものの、再び東京に帰ってきて、天璋院ら徳川一門と
次第に交流を持つようになる。
しかしその後、31歳で脚気により亡くなります。

というのがWikipedia情報。
この有吉作品は、関東下向を嫌がった和宮を不憫に思った勧行院の策略で、
和宮は実は下女と取替えられていたというストーリー。

何も知らない下女:フキが主人公。
彼女は橋本様のお屋敷で働く下女であり、
親に捨てられた孤児。
毎日水汲み、洗濯をしながら先輩下女にいびられたりなどしている毎日。
そういう生活しか知らないフキは、そんな生活をまあ何も考えず楽しく過ごしていた。

と、突然桂の御所(勧行院と和宮がいるお屋敷)に呼び出される。
そしてみたこともないような畳の廊下、絹の着物、
白いご飯の食事など突然生活が変わる。
そこで和宮様の陰にかくれて、一人分の食事のうち和宮様が残した分を食べ、
口を利けば怒られ、歩いてもダメ、まして走ってもダメ、
たった2部屋を行き来するだけの毎日。
でも時々和宮様が笑いかけてくれるのが嬉しくて、我慢していた。

ところが突然、和宮様がいなくなる。
そして前までは和宮様が着ていた服を着、食事を食べ、
和宮様として挨拶をうけるようになったころ、フキはようやく、
自分が和宮様の身代わりになろうとしているのだとわかってくる。

って感じ。
のびのびと育った孤児であるフキが、
がんじがらめの宮廷の生活に閉じ込められ、
何の説明もなく和宮にしたてられていくなかで体力的にも肉体的にも少しずつ
おかしくなっていくのがわかる。

最後も結構衝撃。うわーそうなんだ、みたいな・・・。
宮廷言葉とか、専門用語とかが多すぎてちとゲンナリもしたけど、
でも、結果どうなるの?って言うのもあったしおもしろい一冊でした。

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